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  • オーガニックな在り方デザイン・畑で考え学ぶサロンを通じて巡り逢った仲間たちが織りなす世界観

5年の自分史を振り返って

みなさんこんにちは。
先日まで異常気象かと思うほどの暑い日が続いたと思ったら、いきなり寒くなってビックリ。
そんななか、この11月で私と妻が神奈川の端っこ、津久井に横浜から引っ越してきてまる5年になります。

5年という短いような、長いようなこの時間。
私がライフワークにしている自分史の視点で振り返ってみたら、記憶が新しいぶん、かなり濃い5年だったなと再認識しています。そこで今日は私事で恐縮ですが、自己紹介がてら自分史の価値をお伝えしたく、この5年を振り返ってみることにしました。

2016年 大きく環境を変えた
このときはすでに3年ほど、私がいま暮らす相模原で畑をやっている人のところへ通ってもいましたし、長きにわたり続けていた仕事の契約が終了し、稼ぎもまだ未確定要素が多い分、支出を減らすライフスタイルへの覚悟はできていました。そこでたまたまラッキーなことに手頃な物件が見つかったという自然な流れで引っ越しを決めたのです。
2011年までは地元の横浜から動くことなど考えもしなかった私ですが、東日本大震災と原発事故をきっかけに、大きく生き方、運命を変えようと思ったことがきっかけでした。

相模川の眺め。当初は横浜から1時間ちょっとのところにこんな景色があることが驚きだった。


そして引っ越す前に「行くなら今しかない!」と、デンマークとオランダへ2週間ほどの旅行へ。デンマーク在住25年のジャーナリスト、
ニールセン北村朋子さんがナビゲートするスタディツアーに参加し、かの国の素晴らしい社会保障制度や、成熟した民主主義のベースとなっている人々の意識などをこの目で見てきました。

デンマーク ロラン島。原発をやめ、風力発電にシフトした同国で、この島は電力自給率600%を達成し、コペンハーゲンなどの都市部に電力を輸出している。

コペンハーゲンの市内中心部にある自治エリア「クリスチャニア」の入り口。

また「自分史」へコミットしたのもこの年。一般社団法人「自分史活用推進協議会」の講座を受け、自分史活用アドバイザーという資格を取得し、自分史をライフワークにしていこうと決めて動き出したのです。
振り返れば、この年は大きく環境を変えたターニングポイントでした。

2017年 迷いのなかの空白
しかしすぐに訪れた2017年は、なぜかあまり記憶に残る、思い出せることがありません。
仕事もまだ不安定。恐らく生活を安定させるのに一生懸命で、あまり大きなイベントがなかったのと、認知症でグループホームに入っている父と、実家にいる足の悪い母のケアに、横浜へわりと帰っていた記憶はあります。この両親のケアがこれからどこまで続くのか、悩みも多かった時期でした。

2018年 別れと覚悟
この年の4月に、認知症を5年患いグループホームにいた父が亡くなりました。この前年にガンが見つかり、誕生日である正月は越えられないかもと言われていましたが、予定より3ヶ月も長生きし幸せに旅立っていきました。

しかし8月、親友の奥さんが予期せぬ突然の旅立ち。
当初横浜に住んでいた家は、彼らが住んでいた隣で、何度も楽しい時間を一緒にすごした仲。
しかも彼らが引っ越したあと、そのステキな部屋に私たちが入っていたので、これは本当にショックで悲しい出来事でした。

しかしそんな二人とのお別れのあとの12月、それまで互いにフリーランスだった私と妻は二人で会社Two Doorsを設立。
社名の由来は、その友人の家に2つのドアがあったことが理由の一つです。

キャッチコピーは「未来にむけた希望を言葉に」。

そのストーリーを記した妻のブログも載せさせてください。「扉を選ぶ。社名にまつわるあれこれ。」
会社の設立は、親しかった彼女への思いをこめて、私たち夫婦が、それからの仕事への在り方を明確にしたコミットのようなものでした。

2019年 続く別れ、しかし新しい息吹も
1月には前年亡くなった父を追うように、今度は母が旅立ちました。これも全く予想だにしなかった突然の別れでした。
足の不自由ななか、実家で転び手首を折って入院した病院で、手術も無事におわりリハビリを控えて頑張ろうといっていた矢先の出来事。検査では分からない大動脈瘤が破裂し、一瞬のうちに旅立ってしまい、死に目には会えませんでした。
しかし今にして思えば、仲のよかった父が寂しがるでしょうし、世話してやりたいとあとを追いかけて逝ったのでしょう。
鮮やかであっぱれな死に様でした。

若かりし頃の両親。形見となった写真は自宅に飾ってある。

そしてこの年はサイコリー、AKIと出会い、マインドフルカフェの開発がはじまったり、神戸の生協「コープ自然派」で自分史講座を担当したりなど、新たな仕事の息吹が聞こえてきた年でもありました。
2020年 さらに広がる新しいチャレンジ
マインドフルカフェの展開がコロナで一旦頓挫してしまいながらも、新しい仕事へもチャレンジ。
その最も大きな一つが、横浜にある蕎麦打ち教室「蕎麦打ちStudio CHIHANA」のプロデュースでした。

十年来の付き合いのある友人で、彼の蕎麦のファンでもあった蕎麦職人のプロジェクトを手伝いオープンしたのです。
それまで彼の構想にいろいろなアドバイスなどをしていたものの、いきなりそれが実現して動き出したことに、人生のおもしろさや不思議なパワーを感じました。
蕎麦打ちは本当におもしろくて楽しいです。女性の方でも気軽にできますので、ぜひチャレンジしてみてください。

十割蕎麦「千花庵」店主の鈴木さん。信頼する友人でもあり、ビジネスパートナーでもある。


そして2021年 在り方の見直しと新しい家族

コロナ禍やアメリカ大統領選挙などいろいろな社会事象によって、人との関係性を見直す機会がたくさん訪れた、というのが今年の印象です。
しかしそのなかで、このarila!が提唱するような「在り方」が、以前にも増して求められているということも、痛いほどに感じ取ることができたのも今年。
一旦中断していたマインドフルカフェは、開発から2年、ようやくにして大手メーカーさんから受注、先月から今月にかけ、4回のワークショップを開催することができたのも、時代が「在り方」の重要性に気づいてきた証左そのものだと実感しています。

さらに今年のビッグイベントは新しい家族、保護猫の「きび」が我が家にやってきたこと。
妻と二人で大事にしているテーマ「心の機微」からとったのですが、実際はおおらかなやんちゃ坊主です。
これまで妻と二人で気楽さのあった生活に、大変ながらも楽しい彩りが加わり、目下我が家では彼が話題の中心です。



この5年の自分史を見ていただき、なぜ私がいまこのarila!で書かせてもらうようになったのか、ご理解いただけたかなと思います。
こうして過去を棚卸しすると、本当にいろんな人に出会い、別れ、そのなかで彩られてきた自分史を生きる価値に感慨深い思いが湧いてきます。

自分史をやってみてから学んだのは「過去の軌跡を振り返って思うことは、現在の自分の解釈であり、それは変わる、変えてもいい」ということと「今の自分がなにを望んでいて、未来はどうありたいかが明確になってきた」と確信できるようになったっということ。かけがえのないあなたのいのちの価値を感じられる自分史、興味のある人はぜひ取り組んでみてくださいね。
自分史講座&マインドフルカフェ

さて、まもなく2022年がやってきます。
みなさんの来年はどんな年になるでしょうか。どんな年にしたいですか。
今回私はこの投稿で改めて過去の解釈と、今の自分の在り方、座標を再認識できました。
さらに幸せで在るために、来年にむけて歩いていこうと思います。

投稿者プロフィール

柳澤史樹
柳澤史樹
マインドフルカフェ®︎ ナビゲーター。
人の生きてきた軌跡である「自分史」を自らのライフワークとし、そのエッセンスを組織開発や人財開発に活かすために開発された学びのプログラム「マインドフルカフェ」ナビゲーター。
一般社団法人「自分史活用推進協議会」認定の自分史活用アドバイザーとして個人向けの自分史講座も開催しているほか、メディアなどでも執筆。
「自分史とは過去の振り返りだけではなく、現在の自分の座標と、未来への解像度をあげる最高のツールである」をモットーに活動中。

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