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手前味噌づくりが教えてくれる人生の大切な教訓とは

季節の手仕事。
それは私にとってライフワークであり、毎年訪れる期間限定のお楽しみイベントのようなものです。

梅、らっきょう、山椒、栗…。
ほんの僅かな時期にしか収穫できないものを、出来るだけ長く楽しむために先人達が編み出した知恵の結晶が、季節の手仕事です。
何百年も前から子供へ孫へと受け継がれてきたものもあれば、ここ数十年で定着したものもありますが、廃れることなく現代まで繋がれてきたのには理由があるのでしょう。

たくさんの季節の手仕事の中でも、私が特に大好きなもの。
それは「手前味噌づくり」です。
そろそろ冬物のコートの登場かな?
今夜のご飯はお鍋にしようかな?
そんなことを考え始めたら、今年もその季節がやってきたという合図です。

私の料理教室では毎年11月くらいから、手前味噌を仕込むクラスを開催し始めます。
実は先週末(11月21日)が今年最初の味噌クラスでした。
ご自身で味噌を仕込んだことがある人は、どれくらいいるのかな。
味噌が何からできてるのか、どうやってできていくのかを知っている人は、どれくらいいるのかな。
願わくば、味噌仕込みを小学校の家庭科の必修授業にしてほしい!
味噌仕込みには私たちが生きていく上で、大切なことが詰まっているって、私はそう考えています。

味噌の材料は、基本的に「豆・麹・塩」以上です。
茹でた(もしくは蒸した)豆に、麹と塩を混ぜ合わせて、約一年待ったら出来上がり。
細かいところを全部省略してしまうと、こんな感じ…。簡単でしょう?
でも当たり前のことですが、ここに絶対に必要なのが「人の手」なんです。
豆と麹と塩を繋ぐのは私たちの手。
私たちの手は、いうならば仲人のようなものです。
彼らの出会いのきっかけに立ち会い(仕込み)、時にはサポートして(熟成中のメンテナンス)、結婚というゴール(発酵完了)までを見守る役割。
面白いですよね。
出会い方がいい感じじゃないと(仕込みを失敗すると)、その後の関係性はうまくいかず結婚に辿り着かないかもしれない(うまく発酵しないかもしれない)。
私たちにできることはほとんどないのに、責任は重大なのです。

私が味噌づくりが好きな理由はそこにあります。
味噌づくりって、最初の仕込み以外、私たち人間ができることはほとんどないんですよね。
発酵に良い環境を整えるとか、時々のぞいてカビをとる、それくらいです。
自分でつくったものなのに、自分ではどうにもできない。
できることはただ待つことだけ、見守ることだけ。
そういう存在と一緒に暮らしていることが、無意識の領域で自信過剰やエゴを抑えてくれているような気がするんです。
もちろんメーカーさんやプロの方のように温度管理などの細かい技術を駆使することもできます。
ある程度それで味を確定することもできるでしょう。

でも私は、自宅で手前味噌を作る楽しみや意義って、ちょっと違うところにあるんじゃないかなって思っています。

自分の思うようにならないことを受け入れて、できることの中でベストを尽くす

 

なんか、人生みたいじゃないですか?
手前味噌づくりが私たちに教えてくれることって、これじゃないかなぁ。
生徒さん達にもあまりお伝えしたことはないけれど、私はそんなふうに思っています。

人生の学びを得られて、しかも美味しい。
手前味噌づくりはやめられません。

ひびのわでは今年の冬もまだまだ味噌づくりをする予定でいます。
直近のクラスはこちら。

ひよこ豆の手前味噌〜美味しさの秘密は空間にあり!〜オンライン手前味噌レッスン

今後のスケジュールは私のHPにて、随時アップしていきます。

今年の冬は、ぜひ一緒に手前味噌を仕込んで、味噌から人生の学びを得ませんか?
大袈裟!?
でも試してみる価値はありますよ!

 

投稿者プロフィール

大塚佑子
大塚佑子
あなたのおうちご飯のアシスタント、「ひびのわ」を主宰。
レシピのない料理会を定期的に開催中です。(オンラインもリアルも)
「アルモンデナンデモデキルサ」を唱えながら、その日その時、目の前の素材を美味しく食べきる料理をお伝えしています。
調味料の選び方や組み合わせ方、野菜メインのご飯、お家で作れる発酵食品などのお話が得意です。
私にもあなたにも地球にも心地よい暮らしを「台所」から、一緒につくっていくお仕事を只今模索中。

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