「ダイバーシティ」という在り方を知るために

arila!読者のみなさんは、すでにご存じであろう「ダイバーシティ」ということば。
直訳すれば「多様性」というように、ある集団において年齢、性別、人種、宗教、趣味嗜好などさまざまな属性の人が集まった状態という意味があります。

昨今、世界の潮流を追うように、LGBTQといったジェンダー、育児休暇やリモートワークなどのワークスタイルについて、主にこの概念は日本のビジネスシーンにおいて導入されてきました。
個人的には、このダイバーシティが社会全体に広まることについては大賛成です。これはなにも私が理解ある人を演じたいとか、自分が新しいと自慢したいとかでは全くなく、いろいろな人が集まったほうがおもしろいし、そうでなければ良いものが生まれないと心の底から思っている人間だからです。

しかしこうした社会的な通念が日本に浸透するきっかけが、なぜいつも海外からなのだろう、と残念な気がするのも事実。
私が詳しくないだけかもしれませんが、日本からこうした進化、成熟した概念が真っ先に出てくるということってあんまり記憶がないんですよね。

その証拠に日本は、世界経済フォーラムが実施した男女格差の大きさ(ジェンダーギャップ)の2021年度調査において、156ヶ国中120位。主要7ヶ国(G7)ではブッチギリの最下位を何年も独走中(ちなみに上位はアイスランド、フィンランド、ノルウェー、ニュージーランドなど)というデータが出ています。
このジェンダーギャップは「経済・教育・医療・政治」の4項目に分かれ、スコアリングしたものですが、日本の場合は特に経済117位、政治147位という悲しい結果が出ています。「経済」のなかで顕著にスコアが低いのは、女性管理職の割合や専門職・技術職の男女差、「政治」でいえば女性国会議員の割合、閣僚の女性割合など。

確かに今の日本の政財界のエライ方々の顔を見ていると、私が子どもの時から変わらず「傲慢でホンネのよく分からないオッサン連中」ばかり。女性の政治家や経営者も増えているけれど、まだまだなわけです。

そんななか、先進的な社会保障制度をはじめ、国民の幸福度が高いといわれるデンマークで、まさにダイバーシティを象徴するようなできごとがありました。
デンマークの首都コペンハーゲンから約2時間、大きな島からなるロラン市に20年在住している友人のニールセン北村朋子さんが、今回日本人として初めて同市の市議選挙に立候補したのです。

デンマークの郊外にあるロラン市は、以前あった造船所が閉鎖されてから主要産業がなく「腐ったバナナ」と称される地域だったそうです。
しかし朋子さんの友人である市議の方が、風力発電を造船所跡地に誘致し、島の主要産業として据えたことで状況は一転。市民同士の協力により、風力発電の風車を島中に造った結果、なんと電力自給率600%の電気を産むまでになり、今では首都コペンハーゲンに電力を輸出するまでになったという歴史があるのです。

ロラン島のステキすぎる老人ホーム。すべて無料。

ロラン島の風力発電機。島のいたるところに林立している。

森のようちえんでのびのび遊ぶ子どもたち。

中学校の廊下に描かれたデンマークの歴史年表。ヒトラーのイラストが。


朋子さんとは、2016年にかの国の幸福度を学ぶために訪れたスタディツアーをナビゲートしてもらったときからのご縁。

日本人でありながら、難しいデンマーク語を駆使し、日本とデンマークの架け橋となる仕事をして活躍されていた彼女が、愛する町ロラン市の政治をよりよくしようと今回大きなチャレンジをしたのです。
子どもの頃から国民の政治参加を教育に取り入れ、誰彼かまわず政治について話す文化をもつデンマークが、社会福祉国家の成功モデルであることは、深い関係があると思います。しかも今回朋子さんがチャレンジした地方議員は、ほぼボランティアなのだと聞いたとき、驚きを隠せませんでした。

残念ながら朋子さんは選挙で落選してしまったものの、そのチャレンジのなかでとても貴重な体験をさせてもらったというので、それはぜひ私たちに教えてほしいと、今回オンラインセミナーを友人と主催することにしました。


このイベントを主催する「YOKOHAMAデモクラシー道場」は、私や妻が友人らと数年前に非営利ではじめた民主主義を学ぶためのプロジェクトです。
デンマークでは、選挙権も被選挙権も18歳(日本は選挙権18歳、被選挙権は25歳)。しかも外国籍でありながら政治参加することにもそれほど障壁はないとのこと。かたや日本は、在日韓国人の方などは、どれだけ長く日本に住んで税金を収めていても選挙権すら与えられない状況をみると、なにがダイバーシティじゃ!と思っちゃうんですよね。

私にとってダイバーシティは「在り方」の大事な指針のひとつですし、マインドフルカフェもarila!も、このデモクラシー道場もすべてその在り方を共有できると信じるがゆえに関わっているのです。
ということで、arila!読者のみなさんなら、このテーマに興味をもってもらえると思い、ぜひ来ていただきたく書かせてもらいました。
一人でも多くの方と、ダイバーシティという在り方を一緒にシェアできればと思います。よろしくお願いいたします。

☆イベント概要
YOKOHAMAデモクラシー道場 Vol.17
自分のまちから変えるために今できること from デンマーク日時:2021年12月15日(水)19:00〜21:00
場所:オンライン開催
参加費 :1,500円
参加受付:
peatixイベントページにて事前決済
https://yokohamademocracy17.peatix.com/ゲスト:ニールセン朋子さん
主催:YOKOHAMAデモクラシー道場

 

 

 

投稿者プロフィール

柳澤史樹
柳澤史樹
マインドフルカフェ®︎ ナビゲーター。
人の生きてきた軌跡である「自分史」を自らのライフワークとし、そのエッセンスを組織開発や人財開発に活かすために開発された学びのプログラム「マインドフルカフェ」ナビゲーター。
一般社団法人「自分史活用推進協議会」認定の自分史活用アドバイザーとして個人向けの自分史講座も開催しているほか、メディアなどでも執筆。
「自分史とは過去の振り返りだけではなく、現在の自分の座標と、未来への解像度をあげる最高のツールである」をモットーに活動中。

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