毎日のごはん作りの「ねばならない」の断捨離

「毎日違うメニューをつくらなければならない」
「子どもたちの好きなものをつくらなければならない」
「栄養のために何種類もおかずをつくらなければならない」

毎日のごはん作りには、それはそれは沢山の「ねばならない」が潜んでいます。
料理が苦手だろうが得意だろうが、関係なし。
年齢を重ねれば重ねるほどに、情報を得れば得るほどに、それはどんどん積み重なって、大切なたったひとつのことは見えなくなっていきます。

今年2月から約半年間、断捨離トレーナーの友人とコラボで開催していたクラスがありました。
毎回一つのテーマに沿って、台所の断捨離をしていくこのクラス。
通常の断捨離講座では、まずものを「いる・保留・捨てる」に仕分けた後、
保留のものと再度向き合い、「いる or すてる」を決めていく、という流れなのだそうです。

が、このクラスではその保留の食材や調味料を美味しく食べきる!のがポリシー。
参加者さんと一緒に「捨てられない」「食べきれない」ものと向き合うなかで、
苦しくなるくらいに感じていたのは、皆さんの背負っている「ねばならない」の重さでした。

ある人の台所には、いつ購入したのかわからない様々な種類のスパイスがあったり。
ある人の台所には、何本ものお酢があったり。
ある人の台所には、ありとあらゆる種類のドレッシングがあったり。

購入したきっかけは色々あると思いますが、そこにはきっと理想があったはずなんです。
こんな料理をしたい、これを使いこなしたい、そんなことを思いながら、購入したはずなんです。
でも今は、使われないまま捨てることもできないまま、ただ仕舞い込まれているもの。
どうしたらいいの?と毎日のようにくる質問LINEに返答しながら、私が行き着いた結論。
それは、それらを購入するきっかけに「ねばならない」があったんじゃないかなってこと。

「主婦たるもの、カレーくらいスパイスから作れなければならない」
「健康のために、毎日の料理の中でお酢を使いこなさなければならない」
「サラダはいつも違う味付けでなければならない」

ある食材や調味料を購入する際、皆さんご自身の意識的にはポジティブなチャレンジと感じていても、
無意識では、今の自分の料理じゃだめだというネガティブな思いがきっかけとなることは多いみたい。
ならば、それらの料理に対する「ねばならない」も台所から断捨離しよう!
ある時から、使い切りのレシピ提案より力を入れて、それを買ったときの気持ちを伺うようになったんです。

「ねばならない」を断舎離して行く過程で、皆さんの口から溢れるのは誰かへの愛情でした。
家族のために、大切な人のために、美味しいものをつくってあげたいという愛情。
それはそれは大切なことです。尊いもの。

でもみんな、忘れてしまっていたんですよね。
自分のために自分の食べたいものをつくるという、たったひとつの大切なことを。

茹でただけの菜っ葉が食べたい日も、これじゃ味気ないかな?と更に手を加えてみたり。
さっぱりしたいものが食べたいなという日も、息子さんのためにハンバーグを作ったり。
誰かへの愛情はたっぷり注いで料理をしていたけれど、ご自身のことは後回し。
気づかなかった自分への愛情不足が、残された食材や調味料としてどんどん積み上がっていく日々です。
半年のクラスで、それらを一つ一つ使い切り、自分の食べたいものを作り、お腹だけじゃなく心も満たされていく過程を見てきました。
「ねばならない」が消えていくのを目の当たりにしてきました。
それは私にとって、小さな感動がずっと続いていく日々でした。

先日の最後のクラスでのこと。
参加してくださった方たちが皆口を揃えておっしゃっていました。

「私が食べたいものを作ればいいんだなって思ったら、毎日のご飯づくりが全く苦でなくなりました」

皆さんが「ねばならない」を捨てて、「したい」という素直な気持ちで料理しているんだなって思ったら嬉しくて…ホロリ(涙)。
そのサポートができた幸せで…ホロリ(涙)。
自分自身がやりたいことはここにある!と気づいた瞬間でもありました。
私の中にあった沢山の「ねばならない」もまた、この半年間で少しずつ断舎離されていたようです。

きっとだれにでもある、「ねばならない」。
台所の、料理の、暮らしの「ねばならない」を手放すサポートをしていこう。
どんな風にやっていこうか、只今絶賛模索中。

 

 

投稿者プロフィール

大塚佑子
大塚佑子
あなたのおうちご飯のアシスタント、「ひびのわ」を主宰。
レシピのない料理会を定期的に開催中です。(オンラインもリアルも)
「アルモンデナンデモデキルサ」を唱えながら、その日その時、目の前の素材を美味しく食べきる料理をお伝えしています。
調味料の選び方や組み合わせ方、野菜メインのご飯、お家で作れる発酵食品などのお話が得意です。
私にもあなたにも地球にも心地よい暮らしを「台所」から、一緒につくっていくお仕事を只今模索中。

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