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  • arila!を主宰する塚本サイコが考える、オーガニックな在り方とは?

Edible x Children <おいしい革命への招待> 小野寺愛

「おいしい。お醤油って、自分で作れるんだ!」
親子で初めて醤油をしぼった日、小学1年生だった娘が言ったことばです。
「本当、美味しいね」
「ママも初めて作ったの?」
「うん、初めて」
「大人なのに?」
「そうだよ。 いまはスーパーでお醤油が300円で買えちゃうからね。でも、ひいおばあちゃんのときまでは、どの家にも手仕事の知恵があったの。季節の保存食や手作りの調味料を作っては、お裾分けしあっていたんだよ」
「なんでみんな、作るのやめちゃったの?」
「1年中なんでも買える便利な時代になって、時間をかけて自分で作るのがメンドクサイ、ってことになっちゃったのかな」
「メンドクサイ? みんなで作ったら、楽しかったよ」
「ね、こんなに美味しいしね」

 子どもの嗅覚は敏感です。今また世界中で、手作りが流行っています。地域の農家さんの野菜を買い、自宅の庭を畑にして、旬を食べることに幸せを感じる人が増えているのです。おばあちゃんの知恵を学び直し、家族や友人と一緒に料理して一緒に食べることは、何にも代えがたい時間です。
「みんなで作ってみんなで食べる*1」。それは当たり前のように響きますが、子どもと一緒に行動することで、未来をもっといい場所に変えられる、そんな魔法のことばでもあるのです。

 食べものと世界の新しい関係に子どもを招待することで、豊かな未来を築く。Riceball Networkからそんな「おいしい革命*2」がはじまることに、今とてもワクワクしています。

 

<脚注>
*1「Cook together, eat together」
*2「Delicious Revolution 」
ともに米国カリフォルニア州のオーガニックフードの母であり、エディブルスクールヤードを提唱している活動家、アリス・ウォータースの言葉より。

 

aionodera_profile小野寺愛(おのでらあい)

国際交流NGOピースボートが企画する「地球一周の船旅」洋上にてモンテッソーリ保育園「ピースボート子どもの家」を運営するかたわら、地元・神奈川県逗子市では、未就園児の親子向け自主保育「海のようちえん」主宰、「パーマカルチャーと子どもの未来研究所」研究員、「パーマカルチャーかあちゃん」主宰。AMI国際モンテッソーリ協会公認アシスタント教師。
すべての大人が「私の子ども」から「私たちの子どもたち」に発想と行動を転換することがこれからの社会の鍵だと信じて、国内外で土と人、人と人のつながりを紡いでいる。

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