第6話『日向ぼっこと手術待ち』

このマガジンでは
今や生きる軸になっている
私と養生の出会い

そして
養生を軸に
私自身の在り方が
ひらかれていくようすを

今に軸足をおきつつ
過去を振り返りながら
綴っています

時を経た今は、
お陰様でやりたいと感じることを生業にし
生活できるようになってきました

癌と出会うまでの私は
自分が何を望んでいるのか?
どうなりたいのか分からず
彷徨うように生きていました

第6話は、癌の発覚後
入院した頃の話

実は、このドヨーンとした時間が
今に繋がる在り方の原点になっています

少し重いですが
どうぞお付き合いくださいね


第6話『日向ぼっこと手術待ち』

癌の発覚後
摘出手術のための検査入院をして
だいたいの入院予定日が決まる

この頃になると
ますます眠れなくなってきていて
睡眠薬に頼るようになり
日中も朦朧とする時間が多くなる

一人だと
車の運転も危ない状態で
病院へも行けない日も出てきた

この頃になって初めて
家族に本音を伝え
思いきり甘え
思いきり当たった

それでも
どこにぶつけていいのか分からない
怒りが溢れて溢れて仕方なくて

入院まで自宅待機のあいだ
狂ったように叫んだり
怒鳴ったりという日々が続いた

泣いても叫んでも
なにも変わらないことに
うっすら気づいた頃
やっと入院の日がやって来た

覚悟を決めなさいというように
清々しい青空が広がり
夕陽がとても美しい日だった

病院に着くと
少し古いけれど
陽当たりのいい大部屋に案内され

精神科の診察もしてもらい
薬も処方された
これで安心だ

ベットに座り一息つくと
斜め向かいのベットで

放射線治療直後だという
おばさんが吐いていた

陽当たりのいい病室で
日向ぼっこしながら
なんでこうなっちゃったんだろう
と思いを巡らす

本当に私は
癌なのだろうか


そんなある日

仲のよかった友人が
お見舞いに来てくれた

とても
気の毒そうな顔してる

こんな状況なのに
私は可哀想と思われるのはイヤで
大丈夫そうなフリをする

友人の目を見れない
互いに
言葉がでてこない


なんでこうなったのかと問い

疲れて眠る
この繰り返し

いつのまにか
彼岸花が咲く季節になっていた

(次回へつづく)

 

投稿者プロフィール

小鮒ちふみ
小鮒ちふみ
20代で病を得て心の在り方が体に影響及ぼすことに氣づく。様々な養生法を学び実践するなか、震災を機に農業の道へ。外房での農園運営やカフェ立上げを経て栃木県那珂川町に移住、夫と共に「こぶな農園」をひらく。現在、野菜・風土・養生をテーマに農産物をいかしたメニューの開発や監修、メディアへのレシピ提供を行っています。月刊クーヨンにて2021年4月号より野菜と養生をテーマに連載がはじまりました。

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