
ベランダから命の循環
4月にハタサロの畑から持ち帰ったケールとキャベツの苗。
ベランダで大切に育てて大きくなったと思っていたところに、モンシロチョウの姿。
都内に住むマンションのベランダには、毎年モンシロチョウが遊びにきます。
しばらくすると、みるみるうちに青々と育ってきたケールとキャベツが虫食いだらけ。
モンシロチョウの幼虫が葉っぱを食べつくしてしまいました。
丸々と育った青虫は、こんなに遠くまで這ってきたのかと思うようなベランダの端から端へと移動し、
サナギになり、生まれたての姿を見せ、飛び立っていきました。
10数匹いた青虫から、成虫になったのを見たのは3匹だけ。
サナギになれても羽化できなかったり。
モンシロチョウの寿命は卵の期間を含めても2ヶ月ほどだそう。
成虫の寿命はわずか10日ほどらしく、白くカワイイ姿を見れるタイミングはラッキーだ。
そして、葉っぱを食べつくされ、茎だけになったケールとキャベツから、また新芽が出てきて。
植物の逞しさを目の当たりにした時を、写真に残しました。
この後、この野菜たちはどう育っていくのだろう。
青々としたケールはジュースにしたり、葉っぱが巻いてるキャベツの様子を見れるかもしれない。
そんな期待を胸に、毎日欠かさず水やりをしていたある日。
また、モンシロチョウが遊びにきた。
ふるさとに帰ってきたの?自分の生まれた場所がわかるの?
周りを見渡しても、キャベツやケールを栽培している家やマンションは見当たらない。
山手線がすぐ横を通るようなこの都心の場所に、よくぞ戻ってきてくれたと
モンシロチョウの姿を愛おしく観察していたら。しばらくすると、また葉っぱに穴が開き出した。
今は、第二陣の青虫たちが葉っぱを食べつくしています。
都会の猛暑の中で生き延びようとしている小さな命。
人が出来ることは食べものや水を分け与えること。
もう茎しかない場所にいる青虫を、葉っぱがある方へと移動させてあげる。
青虫にとっては、それは「ワープ」のようなもの。
食べものがない場所から、突然目の前に食べものが溢れる。
何か起きたのかわからないほど奇跡的な出来事だろう。
人も窮地に追い込まれていると、なぜか助けられるということもある。
でも、それ以上は自然の流れに任せよう。命あるもの、自然の中で生きている。
投稿者プロフィール

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GO Organics Japan 代表
田中 美穂
香港・タイ・日本で活動する非営利団体「GO Organics Peace International」の日本拠点として、小規模農家によるサスティナブルな農業を広める活動をおこなっています。
日本拠点は、2015年5月に「GO Organics Japan(ゴーオーガニクスジャパン)」としてスタートし、無農薬・無化学肥料で農業を営む農家さん達と消費者を繋げる活動をしています。
また、農業ボランティアや農園運営での実践、シードマイスター、オーガニックコスメアドバイザー、フードコーディネーターの学びを通じて、種や土のこと、安心して使えるオーガニックコスメ、環境保全や健康に繋がる食材を使った料理など、日常の生活に取り入れてもらうための活動も広げています。
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