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私が知ってるドラえもんは、彼女のドラえもん。 伝承型 “不確かコミュニケーション” の可能性。

70年代以前 生まれのかたは
覚えていらっしゃるでしょうか ?
アニメ『ドラえもん』は 平日の夕刻に
毎日10分ほど 放映されていました

当時 私はそれほど ドラえもんに興味はなく
番組を観ていませんでした
てゆうか 小学校の帰り道 友達のSが必ず
前日のドラえもんの話をしてくれたので
観る必要が なかったのだ

Sはドラえもんが 大 大好きで
いつも 楽しそうに その魅力を伝える
最高の伝道師でした
のび太のダメさ加減 ジャイアンの強引さ
ときに 見せる気弱さ そして ポケットから
毎回 登場する 器具の形状や色 質感まで
いつも詳細に 伝えてくれたのだ
私もドラえもんが 大好きになった

とはいえ 私が知る『ドラえもん』は
実際の『ドラえもん』とは 違うのかもしれない
だって 私の『ドラえもん』は
彼女が 愛した『ドラえもん』なのだから

私もお礼に大好きだった 楳図かずお先生の漫画や
怪盗ルパン 怪談シリーズを Sに聞かせた

だから 彼女の『おろち』は
私が愛した『おろち』なのかもしれない

このような “不確か” コミュニケーションは
5Gが当たり前な現代では もはや 影が薄い
しかし その価値を実感せずにはいられない事件が
令和時代 私の身に起こりました

今回の語り部は
ほっぺたの活動で知り合った
Cさん 60代男性です

Cさんは 食事など自然派なせいか
見た目が 50歳くらいの自営業のおじさんです
長らくテレビを持っていない私に おじさんは
「きのう いいドラマを観たよ。」と言いました

再放送か何かで(?)
期待しないで観てたら
石田ゆり子という女優さんの台詞に
ぐっときたのだそう

彼女の役柄は 50代 独身
仕事ができる お局的存在
そんな彼女と恋に落ちた男性の元彼女
20代が 石田ゆり子に嫉妬して
「いい年をして、よく恥ずかしくないわね?」と
一撃を仕掛けたとのことです

「すると 石田ゆり子が 言うんだよ
“その考え方は 将来の自分を
苦しめるからやめなさいっ”って。」

Cさんは 以前から 感激屋で
意外なところで 涙ぐんでは
私を驚かせていました
そして 今回も 然り …
私は 湿っぽいムードが苦手なので
その会話をサラリとかわした 記憶があります

そして つい先日のこと
私は 仕事先で年下の女性に
年齢のことで グサリと言われてしまった

ショックだったが 仕方ない
私は年齢に即した 経験も聡明さもない
10代の頃とまったく変わらない未熟さを
心のなかに見つけることは 日常茶飯事である

だから 反論もせず むしろ 自分を諭すように
彼女の言葉に 静かに耳を傾けていました
すると そんなときです

あの 知らないドラマの台詞が
私の頭のなかで 響きわたったのである

” その考え方は 将来の自分を
苦しめるからやめなさい ”

しかし それは 石田ゆり子さんによるものでなく
感動して震えた おじさんの声でした

確かに そうです Cさん
私のこの考え方は確実に 将来の そして
現在の自分さえ 苦しめていますね

とはいえ おじさんの迫真の演技に
思わず 吹き出しそうになりました
マスクをしていて 本当によかったです

耳もとでささやく 伝言ゲームは
ほんの数人で まるで話が変わってしまう

だから 私の知っている ドラえもんも
ドラマの台詞も 実際のものとは
違うかもしれません

ただ こういうコミュニケーションって
あたたかいし 夢がある
愛がある

ときに 語り部のエゴが 強烈ですし
ぬくもりこそ 鈍くさく 故に 伝わりづらく
一周して 情報が “不確か”なのですが
ときに 真実を超えて 笑かしてくれます
マスクをしていて 本当に よかったです

 

 

投稿者プロフィール

村井砂織
村井砂織
白砂糖やNa塩、食品添加物不使用の有機スパイスシロップ屋 "ほっぺた” 店主。ライター。エディター。家族の闘病生活や8年間のカフェ営業、幼少期からの体調不良の改善を通じて、体を温めること、食の大切さを実感。体を温めることで起こる自然治癒力、感情や記憶、自己愛の発露に興味を持っています。ピアノ弾き語り、散歩、うたたね、小鳥、日本酒が好き。チネイザン(氣内臓)勉強中。

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