誰からも頼まれていないことを続ける。 そのあつかましさと薬効について。

夕方から映画を観にゆく予定でしたが
急遽 予定が入り断念
そのせいか 午後の隙間時間にふらりと
映画を観に行ってしまった

1992年の映画『三月のライオン』矢崎仁司監督
わたしがこの映画をノートパソコンで観たのは
もう 10年前のこと
やっぱり大好きな映画だと 胸が熱くなった

帰りの中央線の窓から 西日の影が差し込んできて
この胸の高まりとともに
中学生のころの放課後を思い出した
授業を抜け出して 友人と観た
『ベルリン天使の詩』ヴィム・ヴェンダース監督
この映画も大人になって見直して やはり
大好きな作品だと感激したのだ

仕事で 映画を観ることが たまにありますが
印象に残るのは 好き勝手に動いて出会った作品が多い
仕事だと 作品のテーマや論点など
一生懸命 探してしまうから

よく「好きなことは仕事にしないほうがよい。」
と言われる理由には
こういった義務感 責任感があるのでしょう

ただ「誰からも頼まれていないことを続けていたら
仕事になった。」
という話も よく聞きますね

私の場合は カフェ業がそうでした

両親が病に倒れたときは
以前から 興味のあった食餌療法を学び
頼まれていないのに 養生食を毎食 作っていました
そして 一人暮らしのとき
毎週末 友人を家に呼びつけては
手料理とお酒に つきあってもらっていました
いま ふりかえると 淋しかったのでしょう(笑)
しかし 当時は 私至上 稀にみぬほど 生き生きと
はたまた 取り憑かれたように
大好きな料理を作っていました

遊びに来てくれた 友人との会話が途ぎれないように
仕込みを万全にして 望んでいましたし
揚げたて 蒸したて おろしたてを お出しする段取りが
自然に身についたころ なぜか
カフェの仕事が舞い込んできました

その後は ライター業とともに ” 頼まれて ”
料理のお仕事をさせていただきましたが
今度は 自分の低体温を改善するために作った
スパイスシロップの美味しさ 素晴らしさに 魅せられ …

お客さまに 冷えの恐ろしさや(笑)
自然栽培 有機栽培の生姜の底チカラ
スパイスのパンチ力を解説しては
むしろ こちらが 頼みこむ感じで
そのシロップを使ったお菓子や飲み物を
ご注文いただきました
ジプロックや なにかの空き瓶に入れて
手足が冷たいとおっしゃるかたには お裾分けしました

このような お節介行為を合法化するために
保健所や微生物研究所にご相談にうかがい
問題をクリアさせることで シロップを正式商品化して
仕事にしてゆきました

自営業やフリーランス 作家のかたにとっては
「誰にも頼まれていなことが仕事に繋がる」とは
常識かもしれません

ただ 一般的には「誰にも頼まれていないこと」って
市民権が薄いというか …
ひとさまを巻き込んで 続けるとなると
少々 あつかましいんです(笑)

いつだったか 心理学者の先生を取材したときに
「頼まれていないことをすると人間関係が崩れやすい。」
と うかがいました

確かに そうです
「頼まれてもいないこと」にかぎって
情熱がともないますから
努力感などを むきだしにされては
受け手は たまったものではありません

ですから 誰にも頼まれずに始めたことは
「いいね」の数も少ないはずです

しかし そもそも
「誰にも頼まれていないこと」です

好きなことに没頭しているときの
あの 何も考えてない感じだとか
全然 淋しくない感じだとか
頭痛 めまい 吐き気 腹痛 かゆみ 痺れ
その他諸々が 治まってしまう 爽快感だとか …

いいねどころか さまざまな
薬効をいただいているので 仕方ありません

そして さらに 一段も二段も千段も万段も突き抜けた
誰にも頼まれないことを続けて 生み出された
仕事や作品に 触れると
自分が大宇宙の小さな塵である無力感とともに
むくむくと自分自身を生きる力をいただいてしまいます

授業を抜け出したときにみた 放課後の夕陽に
ふいに 照らされてしまうわけです

 

 

投稿者プロフィール

村井砂織
村井砂織
白砂糖やNa塩、食品添加物不使用の有機スパイスシロップ屋 "ほっぺた” 店主。ライター。エディター。家族の闘病生活や8年間のカフェ営業、幼少期からの体調不良の改善を通じて、体を温めること、食の大切さを実感。体を温めることで起こる自然治癒力、感情や記憶、自己愛の発露に興味を持っています。ピアノ弾き語り、散歩、うたたね、小鳥、日本酒が好き。チネイザン(氣内臓)勉強中。

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